旅の体験談① 情弱の末路
2019年11月の出来事。
ベルリン滞在2日目。
世界一周の旅を始めて3か月が経ち、旅のマンネリ化がひどい時期だった。特にヨーロッパはどこもかしこも似たような街並みで、次の国を訪れるという楽しみはほぼなかったし、
それに追い打ちをかけるように大嫌いな雨が降りしきり、僕のテンションは常時ゼロだった。(ヨーロッパの冬は雨が多いので仕方ない)
珍しくこの日は晴れていたので、僕は気分アゲアゲでベルリンの壁を観に行った。かつてドイツを東西に分けていた壁ってどんなのだろう、どれくらいの高さなんだろう、人が飛び越えられるのかな、結構ワクワクしてた。
しかしその興奮を打ち消すように悲劇は起きた。
ベルリンの壁を一通り見て、そろそろ帰ろうと来た道を引き返してると若いお姉さんに声をかけられた。目の不自由な人への支援の署名をお願いしますと。まあよくあるヨーロッパでの詐欺なのだけど、その頃の自分はよく知らずに足を止めてしまった。
このお姉さんのターゲットは完全に観光客なんだろう。署名の用紙にはドイツ語ではなく英語で何か書かれていた。
署名を書いたところで去ろうとすると、募金もくれとお姉さんは言ってきた。さすがにこれは怪しいと思って、募金はできないから署名も消しますと言って去ろうとした。
そしたら今度は、じゃあチップを払えと言いながら通せんぼしてくるしてくる。 もう意味わからんでしょ。何に対してのチップだよ。
帰ろうとする僕と意地でもチップを払わせようと前を遮るお姉さん。僕とお姉さんの間にベルリンの壁を作りたかった。
これでは埒が明かないから小銭でも渡して帰った方がいいかと思った僕は負けだった。
あれ小銭あったっけ?使い切った気がするなと財布を開けた瞬間すごい勢いでお姉さんの手が財布の中に入ってきてお札全部とパスポートのコピーを取られてしまった。咄嗟に自分も手が出て半分のお金は取り返したのだけど、残りは服の中かどこかに隠された。金を返せと言ってもとぼけた顔してやがった。どこにもないよとジェスチャーしてくるのが究極にうざかった。ポケットを全部見せろと全力の片言英語で言うと素直に見せてくれたけどどこにもなかった。おまけに谷間の中も見せてきた。けっこう大きかったけど全然嬉しくなかった。こういうのも想定済なんだろうな、絶対わからないところに隠してるんだ。奪った金を隠すためなら自分の胸も見せる汚い女だわ。
ほら何もないでしょと勝ち誇った顔で去ろうとするクソビッチにおれは金を返せと言い続けたけど無駄だった。金を奪われた時点で負けだったんだ。もう返してもらえない。怒り狂った僕は「死ね!カス!ボケ!」と日本語で罵ってその場を立ち去った。
もう気分は最悪だ。なんでベルリンの壁まで来てこんな目に遭わないといけないんだ。
その日に限って晴れていた青空に無性に腹が立った。
40ドルとパスポートのコピーを失ったがそれ以上に人間への信頼とか旅の気力とか諸々失ってしまった。
そのあとに予定していた観光は全部止めにした。そんな気分ではなかった。
どこにもぶつけられなかった怒りは虚しさに変わっていった。
そして心にポッカリ空いた穴を埋めるべく僕は無意識にGoogle mapである場所を探していた。
次回、失意にまみれたお~べが向かった先とは...
みんな海外旅行に行く際は必ず事前によくある犯罪やその手口をしっかりと調べておこう!自分を守ってくれるのは情報と知識だ!
君はまだ自分のちんこの大きさに気付いていない
まだ日本に閉じこもってる引きこもりなんているの?
なら君は世界に出よう。
人というのはあまり自分のことをよく知らない。というか知ることが難しい。
自分自身の存在を直接認識することはできないから。
自分のちんこの大きさは他人のちんこと比較しない限り知ることができないだろ。
もし君がちんこの小ささにコンプレックスを感じているならそれは他人のちんこを見たことがあるからだ。
人間は他者を見て自分を見るのだ。他者は鏡なんだよ。
自分を日本とするなら他者は世界だ。
だから世界を見たことがない君は自分のちんこの大きさに気付いていないのと一緒なんだよ。
君は日本の治安の良さを理解したつもりでしていない。日本人の礼儀正しさを知ってるようで知らない。日本のおかしなところもわからない。
ただ今の時代、統計やらなんやらで容易に他国との比較はできてしまう。幸福度、犯罪率、人間の感情まで数字にしてしまう。
しかしそれは最初に見るべきものではないんだ。
海外のちんこの大きさの平均は20センチですと言われても見てみないとピンとこないだろ。犯罪率がいくつだとか言われてもピンとこないだろ。WRの速さは自分が同じように走ってみないとわからないだろ。
数字はあくまで補助的な役割だ。自分の五感で実感しなければそのものを真に理解できないのだよ。
それこそ百聞は一見に如かず。自分の肌で感じ、経験として脳に刻み込むんだ。
そうして世界を知ることで日本を知り自分を知る。
周りの見え方が今までと変わってくるだろう。
あーそうか。海外を知らなくたっていい別に今のままで十分だと、君は言うよね。
まあいいよ。僕はより幸せになる方法を教えたかっただけなんだ。
そこまで日本から出たくないならでなけりゃいい。自分が家畜であると知らないまま飼い主に首輪を繋げられて死ぬがいい。外でスマホが普及していることも知らずに刑務所の中で生涯を終えるといい。大海を知らずに井の中で鳴き続ければいい。
自分の素晴らしさも愚かさも知らずに死んでいけばいい。
いやなら君は世界に出よう。